狼少女の憂鬱。




「遥のばかぁ…
違うってば…っ」


やばい…
あたし遥と付き合ってから涙腺緩んでるよ。


「だから~…」


「何朝から彼女いじめてんだよ」


ふと聞こえた声に顔見上げるとなぜか顔を赤らめた藤咲 侑斗(ふじさき ゆうと)君がいた。


「あ…、
侑斗くんおはよ。
顔赤いけど風邪?」


「べっつに…
赤くない…
つーかなんで泣いてんの?」


「ねぇ…。
別に俺泣かせてないけど?
いじめてただけで。」


「いじ…っ!?」


「あと。
顔あかくすんな。
実緒むかつく」


「はっ!?
ちょっ…なに!?」


急にあたしの腕を引っ張って教室をでる。