そうじゃっ!

 急にお爺さんが叫びました。まったく近所迷惑ですよ。

   「桃缶から生まれたのじゃから

    ・・・・・桃缶太郎じゃ!」

   は?桃缶太郎?何、ふざけたこと言ってるんですか。

「桃缶太郎?もっと良い名前無いんですか?ネーミングセンス無いもんねぇー」

 お婆さんにこんな事言われてもめげない。それがお爺さんの長所・・・

   「・・・・・・・・・」

  たった一つの長所。消えましたね。

   「と、とにかく桃缶太郎じゃ!」

  そこ粘るんですね。変なとこ粘りやがって・・・・

   「そうですか、でも鬼なんていませんよ?」

  確かに。今は2000年です。さーどうする。お爺さん。

 「・・・じゃぁアレじゃ。借金取りに立て替えとしてもっていかれた・・・結婚指輪を・・・」

   お爺さん。何で結婚指輪を立て替えにするんですか。

 「・・・まぁいいでしょう。じゃぁお爺さんが面倒見て下さいよ?」

    「分かった。」

   お爺さん、ファイト!