side直人




「直人ー、コレ持ってってくれ!」




「うぃーっす!」




えー...突然ですが。




俺は今、海の家へバイトに来てます。




全ての始まりは...そう、三日前の朝。




「直人ー?連くんから電話よー?」




母さんの声で目が覚めて、寝ぼけたままリビングへ向かった。




連っつーのは、俺のイトコ。




もう成人してるんだけど、未だにフリーターらしくて




夏の間は海の家でバイトをしているらしい。




「俺だけど。用件は何?」




寝起きで機嫌の悪い俺は、いつもの倍近くそっけなく尋ねる。




「あー、ちょっとお願いがあってさー!」




「何だよ?」




「バイト代弾むから、夏休みの始まりの一週間だけバイトしてくんね?

海の家で」