「瑠璃!そんなに走らないで」

母の小春が怒っていた。


「元気があっていいだろ?

少しくらい転んでも平気…」


…転んだ。


いっぱい膝を擦りむいて、

ワンワン泣き出した私。


雅也が慌てて抱き上げた。


「あ~あ、大丈夫か?」

「痛くない・・もん」

涙を拭いて、強がった。

ため息をつきながら、

小春も近寄ってきた。