莉果side

「おーい、早く」

「今行くーちょっと待って」

これが、私たちの日常
慧はいつも、私の家の前で
待っててくれる
幼馴染だから

「お前、遅い」

「ごめんなさい」

「早く行くぞ」

「うん」

私は、毎日遅れてしまう
慧が来てくれる
と、思っているから

「また、2人して登校?」

ニヤニヤしてこっちを見てくるのは
親友の真木野 萌(まきの もえ)

「そんなんじゃないから」

私は、否定したけど
毎朝こうやって登校できるのは
すごくうれしい
だって慧が好きだから
でも、告白はしない
だって、今の関係を
壊したくないから
告白して振られたら
もう、幼馴染には戻れない
友達にも戻れないかもしれない
一方的な片思いのまま
この恋は終わる
そう思う