今、時間が止まったように動かない。 好き? 慎が? 誰を? さっきの慎の言葉が頭の中でグルグルと回っている。 「嘘……」 って言って。 あたしの願いとは裏腹に、慎の顔はすごく真剣で。 手の痛みなんて忘れてしまうほど、今の状況が驚きで。 「嘘じゃない」 お願いだから、いつもみたいに笑って嘘って言ってよ。