「ねぇ優紗。好きな人はいないの?」



香織ちゃんが布団の中で、声を抑えて尋ねてくる。


あたしはその問いに、小さく頷く。

それが分かったのか、次の質問をしてきた。




「じゃあ、さっき言葉を止めたのは何で?」


「分からない、けど……」


「けど?」


「……会長が急に頭に浮かんだの。そしたら、言葉が勝手に止まっちゃったっていうかなんていうか」




もごもごと言葉を濁す。


話してたら、急に顔が熱くなってきて両手で頬を押さえる。





「ほーなるほどね……」



「え?何がなるほ……」



「明日も早いからもう寝よう」