「きっと、休めば大丈夫よ」
麻衣はそう言ってたけど。
「俺は紗和の傍にいる」
そう言い張って、紗和の横に付き添った。
そして、細い手を握った。
昔よりも、綺麗になった手。
「今日はごめんな?」
眠っている紗和に言った。
俺も紗和が起きるまで寝よう。
そして、俺が起きたときには紗和起きていて、元気そうだった。
安心した。
ところが少し話してたら、いきなり紗和が布団に潜り始めて。
「廉、寝るっ」
「また寝んのかよ」
うなずいたつもりなのか、返事のかわりに布団が少し動いた。
可愛い奴。
「じゃあ、ゆっくり休めよ」
そっと部屋を出た。