桜太とハモってしまった。


そして、また言い合いが始まる。



「あーもう、うるさい!紗和に決めてもらいなよ」



とうとう、麻衣がキレた。



「紗和、お前が決めろ」



紗和は、絶対に俺を選ぶと思ってた。


なのに。



「……桜太くんと隣になってもいいかな?」



俺は耳を疑った。


今、紗和は桜太を選んだ……?


そのことが無性に悔しくて。


紗和に冷たい態度をとってしまった。


必死に謝る紗和の言葉にも、耳を傾けなかった。


飛行機の中で聞こえるのは、桜太と紗和の楽しそうな会話。


……マジでむかつく。