「早く気付いてね……」 そういい残して、部屋から出ていった。 早く気付くって、どういう意味だろう? あたしが考えていると…… 「紗和、起きてるのか?」 と、廉が声をかけてきた。 起きたみたい。 「あっ、うん」 「大丈夫か?」 心配そうに聞いてくる廉。 「うん。ありがと」 「本当によかった……」 もしかして、心配してくれたの……? 「すげぇ焦った」 それがなぜかすごく嬉しくて。