「お母さん……あたしの前にいるのは……」



『廉くんじゃないかしら?』



こいつが、廉くん。


というより、



「なんでお母さんが知ってるの?」



『だって、紗和を買い取ったのが廉くんですもの』



あたし、とうとうおかしくなったか。



『あらっなにも聞いてないの?』



あらっじゃなーい!


なにも聞いてないから電話してるんじゃん!



『お父さんに話しといてって言ったのに』



お母さん、もうついていけません。



「な?言っただろ」



“廉くん”とやらが口を出す。