「俺は、麻衣が幸せでよかったわ」


「えっ?」



麻衣は驚いている。


「初めて俺に幸せをくれたのは麻衣や。その麻衣が幸せそうやと、俺も嬉しいねん」



そう言う桜太くんは、とても優しい顔をしていた。



「それに、今は紗和チャンに惚れてもうたしな」


「またまた~」



桜太くんがそんなことつぶやいたけど、冗談だと思って聞き流した。



「つーことで、隼人、麻衣のことよろしくな」



気付いたら、麻衣の後ろに浅見くんもいて、浅見くんに向かって桜太くんがそう言った。



「任せとけ。絶対幸せにする」



浅見くんの言葉は、力強かった。