今の家に引き取られてから、父親からはたまに手紙がくる。
俺のことを気にかけれくれて。
そんな父親を捨てた、母親が許せない。
あの女が憎くてたまらない。
そんな俺は、だんだんと心を閉ざしていった。
両親としか話さなくなっていった。
そして、高校入学。
あのときは、俺は女遊びなんてしてなかった。
でも、誰とも話そうとしない俺にかまってきたのが麻衣。
今の紗和チャンと同じように。
俺のことなんか、恋愛対象としてみてないくせに。
そう思っても、どんどん麻衣に溺れていく俺がいた。
そして、今まで不幸でしかなかった俺は初めて幸せを手に入れたんだ。
『あたし、桜太が好き』