父親が出て行ったのに、母親は変わらない。


それどころか、お金が底をつくとそのイライラを俺にぶつけた。


そして、俺を捨てたんだ。


俺の誕生日に。



『あんたがいたから私の人生がぐちゃぐちゃになった』



そういい残してどこかへ去った。


どこも居場所がなくなった俺は、父親からもらった紙に書いてある番号に電話した。


その相手が、今の両親。


俺のことを父親から聞いていたらしく。


俺を暖かく迎えてくれた。


本当の息子のように育ててもらった。


跡取りのことも、無理にやらなくていいって言われたけど決めたのは俺。


今まで、こんなによくしてもらってなにか恩返しがしたかった。


でも、やっぱり母親のことが忘れられなかった。