「大丈夫?」


「うん。でも、これ……」



まだ抱きしめられてる。



「紗和ちゃんすごく濡れてたからさ」


「でも……」



もしも。


もしも、廉に見られたら嫌だ。


ただでさえ、さっき喧嘩したような状況なのに。



「……紗和…」



えっ……



「廉、なんで……」



そこには、傘を2つ持った廉がいた――――