「そっか。もうあたしはいらないね」



泣きそうになりながら言った。



「はっ……」


「廉があたしのこと嫌いなら、はっきり言ってよ!」


「だから違うって」



廉が焦ったような声で言う。



「あたしも……廉を嫌いになるから……」



そう言って、走って逃げた。


廉のこと嫌いになんかなれない。


絶対無理だよ……



「うわーぁ……」



もう涙が止まらない。


気付けば、いつの間にか雨が降ってきて。



「帰らなきゃ……」