「分かったか?」 この男はどこまでもエラそうだ。 「……分かったわよ」 今のあたしの立場では、逆らえない。 でも、やっぱりありえないこの男! 「あんたなんて……っ」 「廉って言っただろ?」 「……廉」 「よくできました」 そしてあたしの頭に手をのせる。 「ちょっと!」 「今度から廉だからな」 廉は念を押すようにそう言ったあと、 「お前の部屋は、この部屋を出て、左に曲がった突き当りだ」 そう言って部屋から出て行った。