「えーっと……」 「だから、俺が今でもこのりんご飴持ってるのは、紗和ちゃんが好きだからだよ?」 「その……」 なんて返せばいいか分からない。 だって、あたしは恭くんのことは友達としか見てない。 恭くんもそうだと思っていたから。 「でも、あたし……」 「分かってる。紗和ちゃんが相澤くんのことしか見てないことくらい」 なにも言えないあたし。 「だから」 恭くんは、真剣な顔で言った。 「俺、紗和ちゃん奪うから」