あたしの値段は2億円!?


「なんでそれ持ってんだよ……!」


「なんでって、紗和ちゃんにもらったからだけど。ねぇ、紗和ちゃん?」



当たり前のように言う恭くん。



あたし、あげてない……よ?」



だって、廉にしかあげてないもん。



「覚えてないの?あの日のこと」



あの日?



「紗和ちゃんが引っ越すときだよ」



あたしが、引っ越すとき……



「俺に、りんご飴くれたでしょ?」



あの日、確かに恭くんは見送りに来てくれてた。


そのとき、あたし……