「えーっと……彼氏です」 あたしは赤くなりながら答える。 「あー……そっか。彼氏か」 「相澤廉だ」 廉が言ったあとに、急になにか出した恭くん。 「……紗和ちゃん、覚えてる?これ」 「なんで……」 恭くんの手には、“りんご飴”が握られていた。 「なんで恭くんが持ってるの……?」 それは、廉にあげたもののはず。 「てめぇ……」 まさか、恭くんが盗んだの? 「相澤くん、そんな怖い顔してどうしたの?」