そして、あっという間に放課後に。



「紗和、帰るぞ」


「うんっ」



廉に呼ばれて帰ろうとしたそのとき。



「―――……紗和ちゃん?」



この声……



「恭くん……?」


「そうだよ。覚えてる?」



忘れるはずない。


だって、恭くんは……



「久しぶりだね。10年ぶりぐらいかな」



引っ越し先で、一番仲良くなった友達だから―――……