「紗和……」


「廉のバカ!」



気付いたときには、もう走り出していた。


あたしも悪かったかもしれない。


ううん。


あたしが悪かった。


でも、あのネックレスだけは買いたかったのに……


廉とおそろいのネックレス。



「廉……」



やっぱり、謝らなくちゃ……


そう思って、電話を掛けようと思ったそのとき。



「廉?」



廉から電話がかかってきた。



「もしもし?」


『後ろみてみろ』