「俺、もう無理。待ってるから一人で行ってきて」



そう言ったら、なぜか泣きそうな顔をしている紗和。


強くいいすぎたか……?



「せっかく廉と見ようと思ったのに……」


「紗和……」


「廉のバカ!」



紗和は、走っていってしまった。



「待てよ!」



必死に追いかけるも、見失ってしまった。



「俺、なにやってんだよ……」



せっかくの初デートだったのに。



「台無しだな……」



そんなとき、目に入った店。



「ここ……」



紗和が行きたがっていた店だ。