「紗和が行きたいならな」


「行く行くー!」



紗和が元気に返事をした。



「貸切にでもするか?」


「えっ?」



というのも、俺は人が多い所が嫌いだ。



「やだ」


「は?」


「ショッピングモールって、人がいっぱいいるから楽しいんじゃん」


「俺は人混み無理」


「貸しきらなくていいからねっ」



俺の言葉を無視して、話を進める紗和。



「廉とデートだー!」



でも、嬉しそうな紗和を見てると、そんなことどうでもいいかって思えてくる。


相当、紗和のことが好きなんだな。