「その絆創膏……」
あたしの手には、たくさんの絆創膏が貼ってあった。
料理の練習中、何度も傷ついた手。
「それが、紗和の頑張った証拠だ」
廉の言葉に、涙が出てきた。
「っ……、それがなんだって言うんですの?」
「西園寺、お前の料理の味は認める。でも、気持ちがこもってない」
「そんな……」
「料理は味じゃなくて、心だ」
心……
あたしは、廉を想って作った。
「紗和の料理は、味はまだまだだ。でも、西園寺より心がこもってる」
廉……
「……そうですか。わたくしの負けですわね」
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