くやしそうに言う桜太くん。
「じゃあ、力ずくでも奪ってみろよ」
「そんなん言われなくても簡単やわ」
「ふーん……じゃあ、せいぜい頑張れよ」
「廉なんか屁でもないわ!」
この廉くんと桜太くんの喧嘩が恒例になりつつある。
それを止めるのが浅見くんなんだけど……
「廉様いらっしゃる?」
今日は違ったのだ。
突然生徒会室に入ってきた女の子。
「あんた誰?」
見たこともない女の子に、廉は冷たい態度で返す。
「まぁ廉様!……その格好は……?」
一瞬目が輝いて、そのあと、あたし達の体勢に驚いて言った。
「別にお前に関係ねぇだろ。お前誰なんだよ」
「私は、西園寺姫華(さいおんじ ひめか)と申します」