「それが廉くんっていう人?」
お父さんの友人という年齢とは思えないんだけど……
『まさか。廉くんのお父さんだ』
じゃあ、なんで買い取るとかなるわけ?
『そしたら、廉くんが紗和を買い取るって言って』
父親の友人の娘を買い取るとか、この男頭おかしいんじゃないの?
しかもあたしを買い取って、なんの得があるわけ!?
まさか、あぶない仕事でもやらされるんじゃ……
そして、おそるおそる男を見た。
男は勝ち誇ったような顔だ。
「お父さん、あたし、嫌だ」
こんな奴。
『ということで、しばらく会えないが元気でな』
「お父さんっ……」
きっ、切られた。


