「このりんご飴は……」



全てを思い出した。


あのときの約束。


廉はずっと覚えてて、このりんご飴をくれたの?


ちょうど家について、車が止まった。


そして、お父さんとお母さんが車を降りる。


でも、あたしは動けないまま。



「紗和?どうしたの?」



お母さんの言葉にも反応できない。


しばらくしてから、



「……ごめん!あたし廉の所に戻る!」



と叫んで、目の前のタクシーを止めて飛び乗った。



「ちょっと待ちなさい!」



と言うお父さんとお母さんの言葉を無視して、あたし廉の家に向かった。