すると、ノックがして木町さんがドアを開けて入ってきてこう言った。



「信也様がお着きになりました」


「じゃあ、あたし行くね」



ヤバい。


泣きそう……



「ちょっと待て」



廉はそう言って、あたしの手になにか握らした。



「りんご飴……?」


「お前、そのりんご飴好きだろ?」



確かにあたしは、このりんご飴が昔から好き。


でも……



「なんで廉が知ってるの?」



このことは誰にも言ってないはず。



「さぁな。早く行け」



そして、さっさとあたしを部屋から出した。



「……ありがとう。好きだよ………」