「だから、泣いてないってば!」



強く、言ってしまった。



「そう、か……」



寂しそうな顔をする廉。


そのとき、やっと自分がひどいことを言ってしまったのだと気付いた。


なんで、そんな顔するの?



「で、用はなに?」



無意識に、キツイことを言ってしまう。



「信也さんから、もう戻ってきてもいいって連絡があった」


「会社、立ち直ったの?」


「あぁ。このままこの家に住んでもいいし、紗和に任せるって」



もうお別れなんだ……


廉と離れたくないよ。