「お父さん……」 あたし、今生きているのでしょうか? ここはどこ? あたしは誰? これは夢? 『話すの忘れてたなぁ』 ……そんな問題じゃないでしょ。 「あたし、全然理解できない」 『実はな、会社倒産しちゃったんだ』 「……お父さんが冗談言うの珍しいね」 『で、俺と母さんは行くあてがあるんだが、紗和がなぁ』 いやいや。 あたしも連れて行ってよ。 『それで、俺の友人が紗和を引き取るって言ってくれたんだ』