フクロウの声

マオリは飛んだ。

くるりと身を丸めて、
そのまま男の首元に刀を振り下ろした。

男は恐怖に目を見開いたまま息絶えた。

最後の一人は、もう腰が抜けていた。
マオリはゆっくりと最後の男に向かった。

男が後ずさる。

逃がしてはならない。
 
マオリは一気に間合いを詰め、下から斬りあげる。
男は刀でそれを受けたが、
鋭く速いマオリの技に指を何本か持って行かれた。
 
芋虫のような男の指が橋の上に転がる。
男はふうふうと荒い息を吐き、指のない手で刀を握りなおす。

マオリは男を見据える。
 
マオリは躊躇することなく、
男の両手首めがけて片手で刀を振り払った。

風のように一瞬で男の間合いに入ることのできるマオリを
避けることもできずに、男は両手を失った。
 
悲鳴をあげる間もなく、
がら空きになった懐に刀ごとマオリは飛び込んだ。
 
一ひねり、
刀を回してから飛びのいた。

ぐらんぐらんと男が揺れて、血飛沫と共に倒れた。