「伊東先生!」
現れた御陵衛士の隊士たちは、伊東の名を呼んだ。
全部で七名。
あの中に藤堂平助もいるのだろうか。
マオリは一人一人を注意深く見つめた。
「おのれ、近藤め!」
「さあ、早く先生を籠に!」
かついできた籠に伊東の死体を乗せようとした時、
「かかれー!」
その声と同時に四十名ほどの新撰組隊士がいっせいに通りに飛び出た。
マオリも飛び出しながら刀を抜いた。
一人の隊士めがけて駆け出したマオリの背を追い抜いた影があった。
沖田である。
青白い顔した沖田ではなかった。
いつだったか、初めて会った時と同じ、
笑みさえたたえているかのような横顔の下に鬼を潜ませて、
沖田は一直線に駆けて行った。
「平助!」
沖田は叫んだ。
一人の隊士が振り向く。
沖田と年の変わらない、
どこか子供っぽい雰囲気さえ残した顔をしていた。
「総司!」
永倉があとを追う。
マオリは刀をおろした。
現れた御陵衛士の隊士たちは、伊東の名を呼んだ。
全部で七名。
あの中に藤堂平助もいるのだろうか。
マオリは一人一人を注意深く見つめた。
「おのれ、近藤め!」
「さあ、早く先生を籠に!」
かついできた籠に伊東の死体を乗せようとした時、
「かかれー!」
その声と同時に四十名ほどの新撰組隊士がいっせいに通りに飛び出た。
マオリも飛び出しながら刀を抜いた。
一人の隊士めがけて駆け出したマオリの背を追い抜いた影があった。
沖田である。
青白い顔した沖田ではなかった。
いつだったか、初めて会った時と同じ、
笑みさえたたえているかのような横顔の下に鬼を潜ませて、
沖田は一直線に駆けて行った。
「平助!」
沖田は叫んだ。
一人の隊士が振り向く。
沖田と年の変わらない、
どこか子供っぽい雰囲気さえ残した顔をしていた。
「総司!」
永倉があとを追う。
マオリは刀をおろした。

