「聞いたぜ。これから入隊するんだってな。」
 
大またでずんずんと進む男に離されないように、
マオリは早足でついていく。

「はい。これからお世話になります。」
 
マオリは気さくな男の言葉にほんの少し安堵した。

「俺は二番隊の組長だ。
 永倉新八ってんだ。
 どこに配属されたいかって聞かれたら、
 永倉さんのいる二番隊って答えろよ。」
 
明るく朗らかな声でそう言って、
永倉新八と名乗った男はマオリの返事を待つ前にがははと笑った。