セイクリッド

「マリア」

「……」


言葉を吐き出せないのは、何故だったんだろう?







いつの間にか、大介の声を遠くに感じる。


音が遮断されていって、夢の中にいるみたい――…



あぁ、きっとこの先に……



「マリア!」

「っ」


次の瞬間、勢いよく後ろに引っ張られ、ハッと我にかえった。