セイクリッド

「……」

「……」

「…しっかし……何もないな」

「うん……」



歩き出してから数十分……私の記憶は、思っていたよりも曖昧だったらしく、歩けども歩けども、知ってる景色は現れてはくれなかった。



「本当にこの道?」

「……たぶん…?」

「…神社あんの?」

「たぶんね」

「マリア身軽そうだな」

「…本、アパートに置いてきちゃったからね」

「珍しいな!」

「…急いでたし」

「あぁ、そうだったな」