セイクリッド

「夜分にすみませんでした」

「いいえ。また電話するわ」


戻ってきたスタッフさんは、目を真っ赤に充血させていた。

気をつかってくれているのかと思ったけど、どこかで泣いていたらしい。



気づけば、時間はかなり遅い時間になっていて、さすがに泊まるわけにはいかない私と大介は、一旦家に帰ることになった。



かなりぎこちなくはあったけど、笑顔で見送ってくれたスタッフさんは、別れ際に私をぎゅっと抱きしめてくれた。



駅まで送るって言われたけれど、「歩いて考えたい」と言って、それは断った。