セイクリッド

「開けてみろよ」


動けない私を気にしてか、大介が小さくそう言う。


「うん。…わかってるよ」


震えてしまう手が、うまく使えなかったけど、ゆっくりと箱を開けだした。


これは海原さんの遺言みたいなものだから。



「………」


箱の中身は、とても小さな鍵のチャームがついた…


「……アンクレット?」


一瞬ネックレスか、ブレスレットかと思ったけど、どうやらアンクレットらしい。

金色のアクセサリー。




「箱の裏になんか書いているぞ」

手のひらの上にアンクレットを乗せて眺めていた私に大介が言う。