セイクリッド

「すぐに見つけてもらえて…よかったわ」


車の中に、静かに声が響く。


迎えに来てくれたのは、電話をくれたスタッフさんではなく、夜番の若い女性だった。


新しく入った人らしく、お互い知らない存在だ。



「わざわざすみません」

「気にしないで」



車の中があまりにも静かだから、声を発することもなんだか躊躇してしまう。


こんな時にするべき会話もわからない。



嫌な沈黙が流れて、車のエンジン音だけが、現実の世界を物語っているように感じた。