セイクリッド

「あの頃は、どこかで拾ったんだろうか?ってぐらいにしか思わなかったけれど、キミはそのときのことをいつの間にか忘れてしまってね……」

「……」

「私達は、マリアちゃんの親が、こっそり会いに来て…この本を託したんだって思うことにしたんだよ。…なにせ、‘マリアに捧ぐ’と本に書いてあったから」

「…え?」

「ん?」



‘マリアに捧ぐ’って……だって、…え?


「私の名前は、この本からとったんじゃないの?」


私はそう…聞かされていたよ?

だけど今の言い方じゃまるで……


本のほうが後みたいだ。