セイクリッド

突然話しをふられた大介は、「え?」っと首をかしげた……けど、


「お願いできるかな?」


念をおすような声に、コクリと頷いて、病室を出て行ってしまった。




どういうわけかわからないけど、海原さんが私に話したいことがあるのはわかる。

そうじゃなきゃ、こんな風に大介を追い払うとは思えない。




「その本…見せてもらっていいかな?」


何がなんだかわからないまま、私は本を手渡した。