セイクリッド

その視線を追いかけた私は、

「あ、忘れてた……これ、お見舞いのお花」

大介に持ってもらっていたお花の存在を思い出した。



「あぁ、ありがとう…悪いけど、そっちの台に置いてもらえるかな?」

そう言って指差された台、私は膝の上に鞄を置いてあるってことをすっかり忘れて、パッと立ち上がった……


バサバサ


そして中身をその場にぶちまけてしまった。



「……」

「……」

「マリアちゃんは変わらないねぇ」


そんな出来事に、寂しそうだった笑顔が、懐かしそうなものに変わる。