セイクリッド

エレベーターに乗って、3階のフロアに到着する。


清潔そうな看護師さんが、忙しそうに動いている中、廊下の奥に305号室を見つけた。



「ノックするよ」っと確認を取ったのは、私がなんだか緊張してたからだ。



コンコン

軽くドアを叩いてみると、

「はい。どうぞ」

向こうから、少しかすれた声が聞こえてくる。



「あの、こんにちわ…」

おずおずと挨拶を口にしながら、ゆっくりとドアを引くと、ベッドの上に変わらない様子の海原さんがいるのが見えた。