「………」

「眠れないの?」

木々達も寝静まり、空がキラキラした星に染まる夜。


寝付けずに、ただ寝転がりながら空を眺めていると、横にいたミコトが心配そうに声をかけてきた。


「やっぱり、外で眠るのには馴れない?」




太陽の無いこの土地の夜空には、真ん丸な月が浮かんでいる。

昨日も、その前も浮かんでいたのは満月だった。


どうしてなのかと問いかけたとき、「そういえば、月が欠けることってあまりないな」っと、ミコトは惚けた声を出していた。


夜中空にあがる月は、深い闇を柔らかく照らし、外で眠る私を見下ろしてくれる。



「夜空が綺麗だから…眠れないだけ」


早いことで、いつの間にか高天原に迷い込んでから、5日が経とうとしていた。