セイクリッド

服を置いていくと伝えると、お店の人が私に金貨をくれた。


珍しい服だから買とりたい…っとのことだ。



もらった金貨は、やっぱり初めて見るもので、どのくらいの価値があるのかはわからないけど、服を買ってくれたミコトに全部あげようっと思った。







「ミコト…?」

店先に出ていたミコトに、体が見えないように顔だけを覗かせる。



「おかえりマリア。隠れてどうしたの?」

「隠れてないよ」

「マリア」

「……」

「ほら、早く来ないと…置いて行っちゃうよ」


少しの間離されていた手が、スッとまた差し出される。