セイクリッド

「こっちこっち」

「え!?――…きゃっ!」


見事に足を滑らせる結果に終わったのは、声が頭上からきてるってわかって、安易に見上げちゃったから。



一瞬息を吸い込めなくなるほど、思いっきり尻餅をついて、思わず涙がこみ上げた。




「――つぅ」

驚かさないでよ!っと、どう考えても八つ当たり的な感情で上を見上げると、


「ごめんね、驚かせた?」

そう言いながら、頭上から人影が飛び降りてきた。