セイクリッド

これは夢なんだろうか?って、本気で思う。

むしろ夢であって欲しいって、心から思う。



頬っぺたをつねる…なんてベタなことを、まさか自分がやる日が来るなんて…

思い込みの激しい私ですら、想像もしてなかった。




「痛い…」

つねった頬っぺたは、実際地味に痛かった。

……考えてみたら、手のひらの傷だって痛いし、土の上で眠ってた体だって痛む。



とりあえず、周りを見て回ろう…どっかに迷いこんじゃったに違いない。

大介がそばにいない理由はわからないけど…きっとすぐに会える。




意を決して歩き出すと、上空を大きな鳥が飛んでいくのが見えた。