セイクリッド

焦ったように、パッと後ろに振り返ると、そこにあっていいはずのモノがなかった。


「……」

確かに、途中で転んでしまった私は、結局確認できないまま…朝を迎えてしまったことになるけど……ないはずがない。



「…え?」

そこには、あるはずの神社がなかった。




しかも、


「絶対…おかしいって」


上がってきた階段も、何重かの古びた鳥居も、そこにはなかった。


そこにあるのは、純白の鳥居ひとつだけ。