夏なのにね、夏だからなのか?
なんだろうと思って周りを見回したけど、特に何もないような…………いた。いました。
「あれ、私そっち系は疎い筈だったような」と呑気に思っている内に、ソレはどんどんはっきりと見えてきて。
カラーン……カラーン……。
戸惑っていた脳内に何か変な音も聞こえてきたから、もうどうしたらいいか解らなくなってきて。
どうしよう、助けてっ!!
ガチガチに固まった身体は身動きすら出来ず、言い知れぬ恐怖からかギュッと閉じてしまった双眸を恐る恐る開けてみると、私の目の前には青白い化け物が立っていて。
「あ……っあ……」


