白銀色の花卉‐ギンイロノカキ‐

 

怒ってるの?

え、私悪いことしたのか?

行き場のない自問自答を繰り返し、さっきの事もあってかビクビクしながら彼を見たら。


「お前の母さんから、ちょっと代わりに迎えに行ってほしいって連絡があったんだ」


「あ、そうだったんだ……ごめんなさい」


とりあえず謝ってみた、私。


「いや、俺こそ悪かった。遅くなって」


……ああ、享ちゃんだ。

このぶっきらぼうさと言葉数の少なさで最初は怒ってるのかと思うけど、でもそうじゃなくて。

小さい頃から何かと私の面倒を見てくれていた、お兄ちゃんみたいな存在。

それが彼、赤時 享司なのだ。